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犬とネクタイ

こんばんは!妄想エロ河童上澤そらです。嘘です。
そうでもないです。

妄想の赴くままに文字を書いたらどうなるのか、ということで
気が向いた時に何か書けたらいいね!


やまなち
 おちなし
  いみなし
   ほのぇろし


大丈夫そうなら
  
                     ⇒

拍手[1回]





「ただいま」
 チャイムも鳴らさず、突然に開かれるドア。
 彼の低い声に私は慌てて立ち上がり、彼に小走りで駆け寄った。
「おかえりなさい」
 くたびれた表情をする彼から背広を脱がせば、ふぅわり香る煙草の香り。
 大柄な彼の背広は私のハンガーでは小さくて。奥にしまった彼専用のハンガーに掛ける。
 手慣れた手つきで彼はオーディオの電源を入れれば、部屋には彼の好きなジャズが流れ。
 Yシャツ姿のまま、彼はソファーに腰掛けた。
「何か食べる?」
「食ってきたから、いい」
「そう」
 いつものようにグラスを出し、冷えた炭酸水を注ぐ。
 シュワシュワと細かな泡を立てるグラス越しに、彼の視線を感じた。
 その眼差しだけで私を溶けさせることを彼は自覚しているから、ズルい。
 目的なんてわかっているけれど。
 何の連絡もない帰宅への反抗もあり、わざとその視線を避ける。
 我ながら、僅かな足掻きだと思いながら。

 ローテーブルにグラスを差し出せば、彼が手に取り口へと運ぶ。
 私は絨毯に座り、彼の喉元を見上げる。
 ゴクリと動く喉元。
 ふぅ、と吐く息。
 ありがと、と小さく呟く声。
 ようやく彼の眼鏡の奥に安堵が浮かぶ。

 言葉少ない彼にアレコレ聞く時期はとうに過ぎた。
 無言で彼の膝に頭をもたげれば、大きな彼の手が私の髪を優しく撫でる。
 その手に反応するように、彼の膝から太腿、腰……伝うようにこの身を上げる。
 胸へ頬を寄せ、大好きな彼と香りを一人占め。
 彼の手が私の背を優しく撫でれば、こそばゆさに吐息が漏れる。
 私の声と表情に、彼は満足げな笑みを浮かべれば。
 器用に空いた手でネクタイを緩める。
 始まりを予感させるその仕草を見るだけで、私の胸は高鳴って。
(パブロフの犬みたい)
 そう笑む私に、不思議そうな視線を向ける。
「どうした?」
 彼に問われ、視線が絡み合う。
 そして私の返答を待たずに落とされる口付け。
(あぁ、今日も主導権握れない)
 彼の首からはずれたネクタイは、今度は私のリードへ変わる。

 私は彼にこの身を尽くす。
 何もわからず無邪気にじゃれる、子犬のように愛を誓う。
 グラスに残る炭酸水。
 その気泡が消えるまで、今だけ私は彼の子犬。





・・・・・

 ネクタイ緩める仕草が好きなんだ。
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プロフィール

HN:
上澤そら
性別:
女性
職業:
妄想を文字で現す仕事
自己紹介:
合同会社フロンティアファクトリー様の運営コンテンツ
「あなたと!らぶてぃめっとステージ」
にGM登録中の上澤そらと申します。

雑記メインに、ゲームに関する
スケジュール等お気楽に
書かせていただきます。
ゲームの内容に関しては
お答えできませんのでご了承ください。

つまり
たいしたことは
かかない



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