そらいろ

そんな怪訝な顔をしないで
ただ僕は君に昼間の世界を知ってほしいだけ
夜の世界に生きる君には
この光、眩しいだろう

でもほら見てよ、溢れる人
公園にはたくさんの家族、子供
ほら、深呼吸してみるとさ
生きてる、って感じがしない？

君が夜の街で一所懸命
輝き、羽を開いてるのだって知ってるよ
でもさ、表と裏なんだ、表裏一体なんだ
君から見える世界が、世界の全てじゃないんだぜ

君の夢ってなんだい
君の興味ってなんだい
君の好きなものってなんだい
どこで買えるの？どこで手に入るの？
僕が君に贈ることはできるの？

残酷にも時間は過ぎるよ
綺麗なまま剥製になりたい気持ちもわかるさ
でもさ、生まれてみたからにはさ
誰だって何だって
若さだってお金だって
地位だって名誉だって
皆、終わりがくるんだよ

だから、もっと世界を知って
気持ちいいこと沢山知って
本当に欲しいものだけを
本当にシタイコトだけを
貪欲に捕まえにいっていいんだよ

羽ばたく蝶が悪いんじゃない
それを続けるも君の自由さ
でも華やかに飛び回る君の横顔
時折辛そうで　僕の心が痛むんだ
こんな僕の自分勝手な我儘を
それを君に伝えるのも　君に世界を見せたいと願うのも
全部僕の自分勝手な欲望だよ

君は蜘蛛になればいい
そして僕は蜘蛛の巣になるよ
君の狙うものを　君が願うものを
絡め取って君に差し出す　僕はそんな蜘蛛の巣になりたい

嗚呼、そんな怪訝な顔をしないで
そんな表情で羽を広げられたら
眩しく輝く羽を見せつけられたら
僕は、蜘蛛の巣じゃなくて
蜘蛛になってしまうから